貝化石の粉末を含む水質浄化剤

従来の技術

水質浄化手段として、凝集沈殿ろ過膜処理イオン交換/微生物処理などが知られているが、海/河川/池/湖沼などの大量の原水を処理できるのは凝集剤による凝集沈殿のみである。

解決すべき問題

従来の凝集剤としては、石灰石から生成される炭酸カルシュウムが知られているが、セメント化して土壌が固まるという弊害がある。
また、硫酸アルミニウムなどの汎用の凝集剤は大腸菌群などの細菌除去能力に乏しい上に、原水の pH を変動させる問題もある。
それ故に、目的は溶解性に富み、富栄養源、汚濁物質及び菌群を効率よく付着させて沈殿させることのできる水質浄化剤を提供することにある。

解決のための手段

この水質浄化剤は、貝化石の粉末を含むことを特徴とする。
貝化石は炭酸カルシュウムを主成分とする(炭酸カルシュウム換算して 97.45 %)が、1,200 万年もの間地下に埋もれて、高い地熱と圧力を受けた関係で、石灰石から精製された市販の炭酸カルシュウムよりも水に対する溶解度がはるかに大である。
すなわち、炭酸カルシュウムの溶解度が 5.25mg/100mg であるのに対して、貝化石のそれは 40.59mg/100mg であり、約8倍にも達する。
したがって、池や湖沼の土壌を固まらせる心配は無い。
また、貝化石は水中のリン化合物と反応し、富栄養源のリンを激減させることもできる。
しかも、反応の途中で発生するオゾンもしくは活性酸素が殺菌作用を発揮する。
さらに貝化石は吸着力に優れ、同量の重金属に対して活性炭の約1/5(体積比)で足りる。
例えば、カドミウム吸着量 23.5〜27.0mg/g、水銀吸着量 20.0〜24.0mg/g である。

滋賀県赤野井湾隔離水塊実験実施施設における試験

北海道阿寒産の貝化石を粉末状にした。
この貝化石は北海道立中央農業試験場で分析により、水銀、砒素、カドミウム及び鉛などの有害物質はいずれも検出されていない。
この貝化石粉末 70 重量%と硫酸アルミニウム粉末 30 重量%とを混合して水質浄化剤とした。

  1. 隔離水塊実験槽(縦横 10m、水深 1.5m )の湖水及び汚泥を入れ、3.7kw のブロワー1台と水中ポンプ3台を用いて空気量を毎分4m3 とし、ブロワーにVP管を接続し槽底に配置して混合。
  2. 1時間混合後に原水を採取し、水質を検査。
  3. その後、上記水質浄化剤 150kg (原水に対して 0.1 %の濃度)を投入し、30 分間攪拌後、24 時間放置。
  4. 上澄み水を採取し、これを処理水として水質を検査。
    尚、水温は 13 ℃で、pH は原水が 8.6、処理水が 7.4 であった。

検査結果を以下に示す

検査項目

原水

処理水

除去率(%)

BOD(mg/L)

6.9

0.9

97

COD(mg/L)

17.0

2.7

84

浮遊物質(mg/L)

774

5以下

99以上

大腸菌群(個/mL)

59

0

100

全リン(mg/L)

1.4

0.1以下

93以上

全窒素(mg/L)

18.6

1.36

98

硝酸性窒素(mg/L)

0.04

0.01

75

−一週間後の測定値

結果

上記の結果から、原水が著しく浄化されていることが明らかである。

考察

pH 調整や前処理を要することがなく、また、高額な設備投資も必要とせずに水質を容易に素早く浄化することができる。