無機系凝集剤について

無機系凝集剤の種類と特徴

  1. アルミ系
    凝集力に優れているため、凝集処理分野で多く使用されている。
    • 硫酸バンド
    • ポリ塩化アルミニウム(PAC
  2. 鉄系
    荷電中和力、消臭効果、リン除去効果に優れているため、濃縮、脱水工程に使用されている。
    • 塩化第二鉄
    • ポリ硫酸第二鉄
表−1  無機系凝集剤の種類と特徴

形状

●特徴
■適用性

硫酸バンド

●除濁性が高く、安価であるために凝集処理に有効。液状品。
■一般の業種で使用実績が多いが、下水処理においては必要性が低い為、ほとんど使用されない。

ポリ塩化
アルミニウム
(PAC)

●凝集性が硫酸バンドよりも良く、中和剤が少なくて済む。低水温時の処理に有効。液状品(粉末もある)。
■一般の業種、浄水等で使用実績が多いが、最近になって下水処理で脱水助剤として両性高分子凝集剤と併用されることがある。

塩化第二鉄

●アルミ系よりも金属含有量が高く低添加量で使用できが pH が下がりやすいので効果幅が狭く、腐食の問題に注意が必要。液状品。
■最近ではベルトプレスや遠心脱水機に脱水助剤として両性高分子凝集剤と併用されることが多くなっている。

ポリ塩化第二鉄

●アルミ系よりも金属含有量が高く低添加量で使用できる。塩化第二鉄よりも pH が下がりにくく効果幅が広い。また、腐食の問題も比較的少ない。
■当初はフィルタープレス脱水に消石灰と併用で使用されるケースが多かったが、最近では遠心濃縮機用凝集剤として、あるいはベルトプレスや遠心脱水機に両性高分子凝集剤と併用されることが多くなっている。

石灰

●通常、水に分散させ石灰乳の状態で使用する。この時 Ca(OH)2は 2000mg/L 程度溶解する。したがって、汚泥に添加した時に、アルカリ成分は別途添加した鉄系凝集剤の鉄を水酸化物にするとともに、分散状態の Ca(OH)2はろ過助剤として働く。
■当初は真空脱水、フィルタープレス脱水に塩化第二鉄、あるいはポリ鉄と併用で使用されることが多かった。

 

表−2  汚泥脱水装置比較表

方式

名称
構造概要
発生ケーキの含水率(%)

○長所
×短所

加圧脱水

フィルタープレス
両面を凹ませた板をろ布に張り、これを並べて油圧シリンダーで密着させ、汚泥を加圧ポンプで圧入し固液分離する方式。
設置スペース:大/処理能力:中
30〜60%

○脱水効果大
○濃度の変動に対応できる
×バッチ運転
×ろ布の交換が必要
×粘性の高い汚泥は目詰まりする

ロールプレス
上下ローラーにろ布を張ったベルト状のもので汚泥をサンドイッチにし固液分離する方式。
設置スペース:中/処理能力:中
50〜80%

○構造が比較的簡単
○連続的に処理できる
×再造粒(2次凝集処理)が必要
×ろ布のメンテナンスが厄介
×目詰まりする

真空脱水

オリバフィルター
比較的大きなローラーにろ布を張り、この表面に汚泥を付着させ、ローラー内部を真空ポンプ゚で負圧にし、固液分離する方式。
設置スペース:中/処理能力:小
50〜80%

○消費電力小
○連続的に処理できる
×ケーキの剥離が困難
×設備の大きさに比べ処理能力が低い
×目詰まりする

ベルトフィルター
比較的大きなローラーにろ布を張り、この表面に汚泥を付着させ、ローラー内部を真空ポンプ゚で負圧にし、固液分離する方式。
設置スペース:中/処理能力:小
60〜85%

○ケーキが薄くても剥離できる
○連続運転可能
×処理能力が低い
×濃度の高い汚泥ではケーキの含水率が高い

遠心脱水

デカンター
遠心回転体を横型にし、回転体内部に汚泥を投入し、差動ギアで掻取羽根を回転させ連続的にケーキを掻取る構造。
設置スペース:小/処理能力:小
60〜85%

○連続的に処理できる
○装置が比較的小さい
×処理能力が低い
×回転体内での汚泥滞留時間が短いため処理が難しい
×掻取刃の磨耗大

堅型遠心機
遠心回転体を堅型とし、回転体内部のバスケットに汚泥を投入し、掻取刃によってケーキを下部に排出させる構造。
設置スペース:小/処理能力:大
40〜70%

○構造がシンプル
○ろ布を使用していないのでメンテナンスが不要
○フロックが壊れない
×バッチ運転
×消費電力大